日本の皆様
ハワイからアロハを込めてご挨拶させていただきます。日本とハワイの間を自由に行き来できる日が近い将来訪れることを楽しみにしております。
100年近い歴史を持つハワイでの英語による歌舞伎への関心、ご支援をありがとうございます。ご存知のことと思いますが、「弁天娘女男白波」は、8代目市川門之助さんを芸術監督として、2021年4月ハワイ大学ケネディーシアターにて上演し、その後日本へのツアー(岐阜県と京都芸術大学)も行なう予定でした。しかしながら世界中のその他のイベントと同じくコロナの影響で2020年の5月から始まるお稽古や上演の全てが延期せざるを得ない状況になり、この18ヶ月の間は、模索しつつリモートによる別の企画を行ってきました。
しかしコロナ禍から徐々に復活し、「ニューノーマル」の再発見により私たちは再び前を向いて歩き始め、暗く長いトンネルの先に明るい光を見ることができるようになりました。ここに歌舞伎のお稽古、上演、ツアーの企画の再スタートをご報告できますことを誠にうれしく思っております。基礎的なお稽古は2023年の春に始まります。英語による歌舞伎は2024年の春にハワイにおいて上演され、初夏には日本へのツアーを行う計画をしております。
1924年、「仮名手本忠臣蔵」を元にした”The Faithful”から始まったハワイの歌舞伎は、2024年に100周年を迎えます。またケネディーシアターは、2023年に創立60周年を迎えます。1963年「弁天小僧」で幕を開けたケネディシアターは、2023年に「還暦」を迎えます。つまりハワイの歌舞伎にとっても、ケネディーシアターにとっても記念すべき節目の年に「弁天娘女男白波」の上演をすることで新たな一歩を踏み出すことになります。
日本への初めてのツアーのほか、このプロジェクトを成功させるにはまだつめていかなければいけないことが多々ありますが、歌舞伎の故郷日本に学生を連れて行くことができるのは大変光栄なことと思っております。学生たちは日本ツアーによって歌舞伎というみずみずしいエネルギーが溢れる芸術を生み出した日本の文化を直接肌で感じ、非常に貴重な経験をすることとなるでしょう。
皆様のご支援に感謝申し上げますとともに、ケネディーシアターにとって、同時にハワイの歌舞伎にとっても意義のある2023年から2024年という年にハワイと日本で直接お目にかかれるのを楽しみにいたしております。
Me ke aloha
愛を込めて
ハワイ州立大学演劇舞踊学科副学科長
プロジェクトディレクター
ジュリー・イエッツイー